不白が播磨国の石乃寶殿に参詣した折にその形を写して好んだ蓋置である。本歌は赤楽手造りで、他に同じ形で香合もできた。扱い物として用いる。石乃寶殿は兵庫県高砂市阿弥陀町生石にある生石(オオシコ)神社の御神体で、鎮の石室とも称される。三方岩壁に囲まれた巨岩の殿営で池中に浮き東西に横たわる姿で、一辺6メートル前後、推定重量五百トンの巨大な石造物である。不白はこの石乃寶殿参詣のおり、「世々を経し石の宮居や苔花」の発句を『不白翁句集』に残している。