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江戸千家 行事一覧 <平成21年3月から9月>
平成21年3月
1日〜2日 江戸千家不白会柏崎支部 研究会
8日 江戸千家不白会東京支部青年部 研究会 「お香の話と匂い袋つくり」
8日 平安神宮澄心会理事会 (京都・平安神宮)
15日〜16日 江戸千家不白会静岡支部 研究会
16日 江戸千家不白会群馬支部 研究会
17日 江戸千家不白会東京支部 特別会員研究会
20日〜21日 宗家 御相伝式
24日 宗家 御相伝式
26日 九代 名元庵宗雪 祥月命日
28日 江戸千家不白会埼玉支部 創立45周年記念茶会 宗家席持ち
29日〜30日 江戸千家不白会白河支部 研究会

平成21年4月
2日 平安神宮観桜茶会 宗家京都教場席持ち
10日 平安神宮観桜茶会 江戸千家不白会近畿支部席持ち
11日〜21日 米国ロサンジェルス・バウワーズ博物館 若宗匠席持ち・講演
12日 江戸千家不白会群馬支部 研究会
19日〜20日 宗家 御相伝式
24日 長谷川等伯没後400年記念法要 宗家御供茶奉仕 (石川県・七尾市)
26日〜27日 江戸千家不白会山梨支部 研究会
29日 江戸千家不白会東京支部大会 (芝・東京美術倶楽部)
30日 江戸千家不白会全国支部長会議 (江戸千家会館)

平成21年5月
3日 東大寺華厳茶会
10日 江戸千家不白会熊谷支部 研究会
16日 不白敬和会茶会 宗家席持ち (音羽・護国寺)
17日〜18日 江戸千家不白会岐阜支部 研究会
19日 六代 日々庵丁々斎鶴叟宗雪 祥月命日
24日 江戸千家不白会神奈川支部 研究会
31日〜1日 江戸千家不白会弘前支部 研究会

平成21年6月
7日 江戸千家不白会鳥取支部創立50周年・青年部創立20周年記念茶会 宗家席持ち
14日 文京区主催「文の京 お茶の今むかし」展 江戸千家不白会東京支部青年部添釜
14日 江戸千家不白会埼玉支部 研究会
14日 平安神宮澄心会理事会 (京都・平安神宮)
26日 七代室 雪峰白鶴 祥月命日
28日 江戸千家不白会上田支部 研究会
28日 江戸千家不白会群馬支部 花月会研究会

平成21年7月
2日〜3日 平安神宮澄心会理事研修会
5日 二代 日々庵自得斎龍渓宗幸 祥月命日
5日〜6日 江戸千家不白会山梨支部
7日 江戸千家不白会東京支部 特別会員研究会
13日〜15日 宗家 盂蘭盆会
18日 江戸千家不白会八戸支部 研究会
19日〜20日 江戸千家不白会青森支部 研究会
26日 江戸千家不白会神奈川支部 研究会
27日 江戸千家不白会群馬支部 研究会
28日 清水久嗣展 添え釜 峯雪先生席持ち (新宿・京王百貨店)

平成21年8月
9日 宗家名古屋教場 研究会
20日〜22日 宗家直門皆伝者夏期研究会
29日 七代 一円庵蓮々斎千峰不白 祥月命日
29日〜30日 江戸千家不白会東京支部青年部 研究会 「陶芸教室」

平成21年9月
6日 江戸千家不白会仙台支部 創立50周年記念茶会 宗家席持ち
13日 小淵沢・身曾岐神社 御献茶式 宗家御献茶御奉仕
18日〜20日 江戸千家不白会青森支部 研究会
21日〜23日 江戸千家不白会弘前支部 研究会
27日 江戸千家不白会東京支部 正会員研究会 (九段会館)

 

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江戸千家 行事報告

<平成21年3月から9月>


  登半島中央部・石川県七尾市は、桃山時代に活躍し、国宝「松林図屏風」で知られる長谷川等伯の生誕地であり、三十三歳で京都に移るまでの信春時代を送った地である。
  来年は等伯没後四百年を記念して東京と京都の国立博物館で「長谷川等伯展」が開催される予定。その前年祭として石川県七尾美術館では、四月二十五日から開催される等伯展のオープニング(二十四日午後)が行われた。
  四月二十四日(金)、「画聖長谷川等伯第四百回忌顕彰大法要並能登半島地震復興完成報告式」が、七尾市小島の遠壽山本延寺で執り行われた。本延寺は等伯の生家・奥村家の菩提寺であり、等伯の信春時代の作品、日蓮聖人坐像(木造)をはじめ、弟子等誉の大涅槃図も所蔵されている。
  縁深い等伯の第四百回忌を迎えるにあたり、本延寺は五年前から本堂整備に着手。整備完成間近の平成十九年三月二十五日、能登半島地震に被災し、本堂・庫裏・山門・書院・守護神堂すべての建物に被害を受けた。不幸にめげず再起を誓い、奮闘の末、立派に再建。宗門をはじめ全国の知人友人の励ましに檀信徒一丸となっての尽力に、深い感謝の気持ちを籠めての復興完成報告式が併せて行われた。

大法要・御供茶式

  堂横手で九時半から等伯顕彰塔除幕式。その後、本堂にて法要が始められた。大導師は等伯が京で頼りとし、また、本延寺の本山でもある本法寺の御貫首大塚日行猊下。副導師お二方を伴われ、多くの僧侶方・檀信徒の方々も心を合わせての盛大な法要が行われた。
  日蓮宗の儀式がつづき、お家元が点前座に進まれる。点てられた御茶は、若宗匠のお手で御本尊前に運ばれ、お取次ぎのお坊様が御本尊様にお供えされた。
  御供茶が済むと、能楽囃子大倉流大鼓大倉正之助氏の「三番叟」演奏。
  順次焼香があり、参列者の間には香盆が廻る。多くの方の祝辞がつづき、最後に本延寺住職河ア俊栄僧正の謝辞。震災復興のご苦労など心打たれるものがあった。

茶 会

  二十五日(土)、京都・本法寺で利休をはじめとする茶人と交流のあった等伯を偲ぶ茶会が催され、お家元(濃茶)・石川同友会(薄茶)が席持ちなされた。
  濃茶席は本延寺書院、薄茶席は長寿寺にて。両寺は共に日蓮宗。前田利家が小丸山城築城の際、外堀の外側に集めたとされる「山の寺」と称される地域にあり、徒歩数分の距離である。一帯は山の寺遊歩道として整備されている。
  朝から生憎の雨となったが、新緑の萌え始めた里山道はしっとりと落ち着いて風情を増していた。
  静寂の中、鶯の声を聞きながらお家元のお濃茶を戴けた感激を口になさるお客様も。檀信徒の皆様や地元の方々が多く、江戸千家のお茶は初めてとのお客様に、お家元も若宗匠も丁寧にお話しなさっていらっしゃった。峯雪先生が半東をお務めになった。
  長寿寺の薄茶席は石川同友会のお席持ち。「このように多くのお客様をお迎えするのは初めて」とのお話だったが、お席主のお人柄もあって和気藹々と楽しいお席だった。道具のみならず花・菓子にも地元の趣を盛り込むことに意を尽くされ、お話を伺いつつ丹念に道具拝見。
  静かにゆったりと、能登の春を味わった茶会だった。




  国・カリフォルニア州サンタアナ市にあるバウワーズ博物館で行われた「サムライ――日本の武家の宝物」展のオープニングイベントにおいて、四月十九日の午前より若宗匠によるご講演が、午後には広場においてお茶席が設けられた。
  講演は通訳の方との息の合った進行のもと、江戸時代に町人にまで広がる茶道の流れを簡潔に説明されながら、そこで流祖不白がどのように活躍されたかをレクチャーされ、続いて、茶道における交流は御茶事を通して行われる奥深いものである様子を、映像を添えながらご紹介された。
  海外で行われたためか、「茶道」というとお茶をいただくことだと思われている方が多いようで、特に御茶事のくだりでは聴衆の反応がよかったように感じた。
  午後に催されたお茶席は、若宗匠によるお点前で二席行われた。
  お菓子とお茶をいただい方からは「おいしい」との笑顔が、またお点前の所作が「能のようで美しい」という声も聞かれ、お茶席も講演に続いてとても好評であった。
  「サムライ」展は、刀や鎧を中心とする『侍の装い』と能衣装、茶道具、日用品など『武家文化』との二つの主題のもと、東京国立博物館所蔵より八十一点の品々が展示。展示会場の外では、囲碁や折り紙制作、寿司職人によるデモンストレーションなどがあり、訪問された方々は日本文化に触れながら一日を楽しく過ごされているようだった。




  年通り四月二十九日(昭和の日)、東京美術倶楽部において六十一回となる不白会東京支部大会が催された。天候にも恵まれ、大勢のお客様が参加。七席で懸釜され、盛況の裡に無事終了した。
  会場のある芝・大門は商店街とビジネス街が混在、新緑の美しい休日の街並みは気持ちよい。
  一階で受付を済ませ二階に上がると鍾馗様の絵に迎えられ、第一席となる花の間では、東京支部による花月五行が午前と午後にそれぞれ一回ずつ、お家元・翠鶴先生のご指導で行われた。いずれもベテランの方々により滞りなく美しく、いっぱいの見学者を魅了。
  若宗匠がお席を持たれた月の間では、端午の節句を感じながら、ふくよかな香りの濃茶を戴く。
  お点前なさる若宗匠を支えられるのは男子部の方々。凛々しさ溢れる中に、遊び心も。「おもちゃのようですが」とおっしゃって示された兜の蓋置。これはつい十日ほど前に若宗匠が米国ロサンゼルス近郊で茶会を催された折、「割れてもよいように」と持参されたものの由。
  支部では、神奈川支部が雪の間を受け持たれた。
  東京美術倶楽部では初のお席持ちとなるお席主の水屋には、ご家族がサポートに励まれる心和む姿が見られた。
  若葉薫る季節、それぞれ力の籠もった七席もの大茶会を華やかに、混乱なく、今年も愉しむことができた一日となった。




  宗家にほど近い根浄神社は都内でも知られたつつじの名所。毎年文京つつじまつりが盛大に行われてきた。今年も四月十日から五月六日まで催され、人出の多い大型連休中の五月三日、東京支部青年部が野点席を受け持たれた。
  昨年は雨天のため中止となり、青年部は宗家会館での茶会に切り替えられた経緯があるが、今回は朝から高曇りで風もなく暖かな野点日和。
  つつじ苑の一角に設けられた野点席で、つつじ見物に訪れたお客様でお望みの方に一服差し上げる趣向が人気である。今年は花の季節が早まったため、つつじは「名残」の感が否めないが、北海道から大型連休を利用して東京見物に見えたという女性は「有名なつつじを見に来て、花は少し残念ですが、このようにきちんとしたお点前でおいしいお茶をいただけるとは! なんという幸運でしょう」と感激していらっしゃった。
  お家元筆「青山緑水」は、風に煽られても大丈夫なように設えられ、掛籠には翠鶴先生がお入れになった「突抜忍冬・紫蘭・苧環」。青漆爪紅の雪輪棚。主茶碗は若宗匠お手造、替は五郎助造の「藤」。茶杓はご当代作「青葉」。茶器は輪島。水指はお好の大燈紋。青年部らしい若々しい華やぎが、花の山の野点をいっそう楽しいものにしていた。
  お家元、翠鶴先生、和美若奥様、智大様と皆様お揃いで、峯雪先生と青年部を応援、見守られた。
  数年続いた青年部の懸釜も、根津神社がつつじ苑整備のため野点を取りやめることになり、残念ながら、今年限り。
  つつじまつり四十周年の記念の年、天候にも恵まれ、ご来苑の皆様の記憶に残るすばらしいお席となったことは間違いない。




  Rさいたま新都心駅からほど近いホテルブリランテ武蔵野において三月二十八日(土)、埼玉支部創立四十五周年と青年部発会を記念する茶会が催された。
  濃茶席はお家元が、薄茶席は支部長、支部席は五人が揃ってのお点前による茶箱・盆点、そして発会したばかりの青年部は立礼席を受け持たれ、盛大な茶会となった。
  桜の開花が始まったというのに、この日は青空ながら冷え込みの厳しい朝を迎えた。高層ビルの並ぶ官庁街は休日で人影もなく、要所要所に立たれている支部の方々のご案内がなければ迷うほど。寒風の中、係の方々のご苦労に感謝しつつ会場に。
  茶会の会場は新しい、設備の整ったホテル。家元席と支部長席は共に六階の広間、五階の洋間は支部席が点前席に畳を敷き客席は椅子、青年部席は立礼と、いずれも広々と明るい。点心席も宴会場(夕刻からの祝賀会会場)でホテルの係の方々のサービスを受けて、と移動もスムーズ。
  濃茶席はお家元と若宗匠がお点前を、峯雪先生がお半東を務められた。お運びには智大様も活躍、席中に春のそよ風のような暖かな笑顔と話題を誘った。
  支部長席では折りしも御年九十歳とのお正客を迎え、お席主の軸のお話にも熱が入る。「食べてしまうのがもったいない」との声も聞かれたお菓子は、お席主が心籠められたオリジナルとのこと。色合いの美しさを観賞しつつ戴く。
  六曲一双の花屏風に彩られた支部席は五人の方々がそろってお点前。琴の調べが低く流れる中、茶箱と盆点が交互に。心合わせてのお点前はお稽古を積まれたことと察せられた。「お陰様で賑やかにお祝いの会ができました」とのお席主のお話は、支部の皆様のお気持ちであったと思われる。
  発会したばかりの青年部。立礼席は若々しさが溢れ、初代となる部長・副部長のご挨拶もしっかりと、お席主としての受け応えも立派に務められ、これからの発展ぶりを期待させられた。「会場選びが大変でした」と支部長のお話にあったが、沢山のお客様をお迎えし、滞りなく運ばれるご苦労は想像に難くない。
  お茶席での余韻を味わいつつ、祝賀会開宴までのひとときをホテルのロビーや喫茶室で過ごした。




  陰の名湯・三朝温泉。十二世紀の開湯以来、高濃度のラドン含有量を誇り、温泉情緒たっぷりの地は、唄や映画の舞台ともなり、知名度は全国的。
  その三朝温泉の三朝館で、六月七日(日)、鳥取支部の記念茶会が催された。
  お家元は濃茶席を、支部席としては薄茶席、青年部は立礼席を持たれ、お客様は時に見事な庭園を眺めながら、館内を移動、それぞれ趣向を凝らした三席を楽しんだ。
  濃茶席ではお家元・若宗匠がお点前をなさり、峯雪先生が半東を務められ、翠鶴先生もご挨拶にお出ましになられた。「皆様ご存じの道具ばかりでございますが」とお家元はおっしゃりつつ、一元斎宗匠と三朝焼についてなど、興味深いお話も伺うことができた。
  御流祖手造の茶碗と茶杓を床脇に飾られた支部席は、お点前には一元斎宗匠の茶碗と茶杓銘「旭光」に、宗鶴師手造の蓋置を取り合わせられ、創立五十年の祝意を表すとともに、五十年の様々な思い出、感慨が籠められていた。
  支部青年部としては早期の設立となるだけに、青年部部長も貫禄十分。お正客との会話も弾み、当意即妙なお話に明るい笑いがしばしば席中に。鳥取の工芸家に依頼して制作していただいたという香合「河鹿」。岩の上の河鹿蛙を一本の黒柿から彫り出されたものとのこと。前夜、三朝川(三徳川)沿いの旅館の一室でその鳴き声に耳を澄まされた方も多かったのでは。また、懇親会後、三朝川沿いで蛍の飛び交うのを見たが、蛍も河鹿蛙も清流にしか棲息できないという。
  前夜から宿泊の方々が多く、早々に朝食を済ませ入席待ちなさり、また、館内の移動もスムーズだった上、各席とも広い部屋で多くのお客様をお迎えできたため、定刻には終了。
  朝からの小雨で周辺の山並みや川縁は風情が増したが、昼過ぎにはすっかり上がり、緑が美しい。たっぷりと山陰の旅情をも楽しめた記念茶会となった。




 暑も和らぎ、晴天にも恵まれた九月六日(日)、仙台支部創立五十周年記念茶会が、盛大に催された。
  会場となった勝山館は、仙台駅より車で十分ほど。亭々と聳える欅の大木群が空を覆う公園に隣接し、手入れの行き届いた庭園とともに緑深い印象を与えている。茶会につづいて夕刻からの祝賀会と、一日を快適に過ごすことができた。
  十時半の茶会開始時には市内に前泊の方々を含めてすでに大勢のお客様がお待ちになっていた。茶会は丁寧なご案内もあって、大勢のお客様にもかかわらずスムーズに進行し、点心席のスペースもゆったりと、談笑しつつおいしくいただけた。
  二階ロビーが三席の待合となり、ご案内に従って移動。
  家元席では、お家元・若宗匠がお点前を、半東は峯雪先生がお務めになられた。和美若奥様と智大様もお運びなどを。広い床に無学和尚のお軸、堂々とした花。家元席のみならず各席のお花は翠鶴先生がお入れになられた由。茶会終了の三時近くになってもまだ大勢様がお待ちで、急遽、お点前なしのお席が設けられた。
  家元席の隣は、支部長席。他流の方が御流祖のお道具など、詳しくお尋ねになられる場面も。お席主は一つ一つ丁寧にお答えになり、和気靄々。「昨日今日としばらくぶりの好天になりまして」「お精進がよろしいから」など、会話も弾む。お茶碗は、御流祖・お家元・若宗匠のお作が並んだ。
  全面ガラス張りのいっぱいに濃い緑が広がる立礼席は、お家元のお軸。若い方々が一生懸命おもてなしに励んでいられる姿が心に残った。
  三席とも仙台のお菓子で、杜の都の味を楽しんだ。

『孤峰』−江戸千家の茶道 ((財) 江戸千家茶道会 発行)
平成21年6月号〜11月号 より

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