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御献茶式
平成21年11月8日(日)、お家元は前年につづき熊野那智大社別宮・飛瀧神社で御神体の大瀧に御献茶なされた。
前日に立冬を迎えてはいるが、寒さも風もなく、穏やかな晴天に恵まれた。
この日、那智大社では10時半より勝浦の温泉を奉る「献湯祭」が催されており、御献茶式は11時半より斎行。飛瀧神社鳥居内斎場にはご来賓・江戸千家社中の皆様がいっぱいに着席、崖ぎりぎりの席は些かのスリルも。
御献茶の奉告祭が始まると、式進行・祝詞奏上以外はすべて静寂の中、瀧の音が轟くのみ。
一同お祓いを受け、御瀧に拝礼。祝詞奏上・巫女の「那智の瀧舞」奉納につづいて玉串の奉納となり、お家元の玉串奉納に合わせ、江戸千家関係者一同も拝礼、拍手。
その後、お家元が真台子に南鐐皆具が設えられた点前座に着かれる。二碗の御茶が点てられ神前に献じられる間、鳥居前を埋めた参拝客・観光客も無言でひたすら見守る。斎主様により御瀧に御茶が献じられ、お家元が祭壇前に進まれ、拝礼なさった。
式の間、古杉の大木群よりの木漏れ日が斎場の玉砂利に降り注ぎ、いっそう神域感を高める。
朝日芳英熊野那智大社宮司様のご挨拶をいただき、式は無事終了した。
茶会
式後、瀧入口駐車場から宗家がご用意くださった車で順次、那智大社に移動、斎館での拝服席へ。
お家元のご挨拶を受け、若宗匠のお点前でお薄をいただく。半東は峯雪先生が務められ、試験休みで学校がお休みの智大様もお運びに励まれた。翠鶴先生もご挨拶にお出ましになられ、前年の御献茶式でのことなど、お客様とのお話が弾んだ。
御流祖のお軸のお話で、「天漢」は天の川のことと伺い、那智の瀧の天空に架かる様を想像。式後にいっぱいの日を浴びて落ちる御瀧を拝観したばかりでもあり、壮大な気分に。
御流祖縁のお品に、御歴代で唯一紀州に墓所のある鶴叟不白縁のお品を加えられたお家元のご配慮を思う。
明るく広い書院での茶会は、式での緊張をほぐし、和やかにおいしいお茶をいただき、その後、特別なお計らいで、御本殿の神域を拝観させていただくことができた。
点心席は那智大社の本殿より少し下った参道途中にある茶房「珍重庵」。参拝客の喫茶・食事処であり、全面ガラス窓のある座敷からは、温かい食事をいただきながら、原生林の山の連なりをはさんで、左に那智の大瀧を、右に遥か熊野灘の海を望める場所である。
たっぷりと景観を楽しみ、朝からのあれこれを反芻しつつ、晩秋のお山を下った。

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