江戸千家
江戸千家 行事
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江戸千家 行事一覧
平成21年11月
4日 孤峰不白忌 (江戸千家会館)
8日 熊野那智大社 御献茶式 (那智大瀧御前斎場)
15日 釜師・吉羽與兵衛先生展 川上翠鶴先生添釜 (日本橋三越本店)
15日 不白会埼玉支部 研究会
22日 朝日カルチャーセンター茶会 (音羽・護国寺)
23日 不白会群馬支部 研究会
26日 八代 宙心庵一元斎嘯峰不白 祥月命日
29日〜30日 不白会茨城支部 研究会

平成21年12月
6日 東京茶道会茶筅供養 (音羽・護国寺)
11日 三代 孤峰庵不白斎宗閑 祥月命日
13日 護国寺慈善茶会 宗家席持ち (音羽・護国寺)
17日〜19日 宗家教場納会 (江戸千家会館)
22日 五代 圓頓斎宗雪 祥月命日
23日 東京茶道会理事会
31日 宗家 除夜釜

平成22年1月
1日〜3日 宗家 歳旦釜
7日 宗家 初詣 (神田明神)
10日〜14日 宗家 初釜 (江戸千家会館)
15日 八代室 清峰庵宗鶴 祥月命日
17日 江戸千家不白会山梨支部 初釜
24日 江戸千家不白会静岡支部 初釜
24日 ボーイスカウト文京第5団 ビーバー隊来庵 (江戸千家会館)
30日 江戸千家不白会神奈川支部 初釜
31日 江戸千家不白会埼玉支部 初釜

 

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江戸千家 行事報告

 


 祖孤峰不白の遺徳を偲ぶ孤峰忌が、平成21年も例年通り11月4日(水)に宗家会館で営なまれた。
  この秋一番の冷え込みという朝、気持ちよい秋晴れの下、社中の方々が参集なさり、3階広間で式の開始を待った。
  床には流祖御像に「南無妙法蓮華経」、竹三つ具足に一輪の白菊。
  やがて安立寺ご住職がお供のお坊様と共にご着席。懇ろに回向がなされる中、お家元のお供茶点前は粛々と進められた。
  点てられた御茶は若宗匠のお手で御像にお供えされ、つづいてお家元が進まれて拝礼。
  ご住職が退室なさると、お家元はご一家の皆様と共に一同にご挨拶なさり、「本日は三席用意しております。どうぞごゆっくりお過ごしください」と加えられた。
  式後、座は改められて点心席となり、席の合間、思い思いに語らいつつおいしく戴いた。
  2階の待合には東大寺管長上野道善猊下筆「不識」。担雪軒(濃茶)では若宗匠がお点前なさった。お点前は静寂・緊張感の中進められたが、お道具拝見では和やかにまた詳しくお話しになられ、ゆっくり拝見できるようご配慮があった。
  不式庵ではお家元がお点前なさり、峯雪先生が半東をお務めなさった。小間の洞庫席で、主客のお話も親密で、一座も和気靄々。
  陽射しがいっぱいの広間席では翠鶴先生がお点前なさり、楽しいお席になった。寒い朝から日中は気温が上がり、窓を開けて風を入れるほど。
  広間では流祖筆三幅対「凡聖同居 龍蛇昆雑」が床に掛けられ、脇は御流祖像に三つ具足。御供茶式に用いられた真の台子に唐銅皆具と例年通りの設えであった。




御献茶式

  成21年11月8日(日)、お家元は前年につづき熊野那智大社別宮・飛瀧神社で御神体の大瀧に御献茶なされた。
  前日に立冬を迎えてはいるが、寒さも風もなく、穏やかな晴天に恵まれた。
  この日、那智大社では10時半より勝浦の温泉を奉る「献湯祭」が催されており、御献茶式は11時半より斎行。飛瀧神社鳥居内斎場にはご来賓・江戸千家社中の皆様がいっぱいに着席、崖ぎりぎりの席は些かのスリルも。
  御献茶の奉告祭が始まると、式進行・祝詞奏上以外はすべて静寂の中、瀧の音が轟くのみ。
  一同お祓いを受け、御瀧に拝礼。祝詞奏上・巫女の「那智の瀧舞」奉納につづいて玉串の奉納となり、お家元の玉串奉納に合わせ、江戸千家関係者一同も拝礼、拍手。
  その後、お家元が真台子に南鐐皆具が設えられた点前座に着かれる。二碗の御茶が点てられ神前に献じられる間、鳥居前を埋めた参拝客・観光客も無言でひたすら見守る。斎主様により御瀧に御茶が献じられ、お家元が祭壇前に進まれ、拝礼なさった。
  式の間、古杉の大木群よりの木漏れ日が斎場の玉砂利に降り注ぎ、いっそう神域感を高める。
  朝日芳英熊野那智大社宮司様のご挨拶をいただき、式は無事終了した。

茶会

  後、瀧入口駐車場から宗家がご用意くださった車で順次、那智大社に移動、斎館での拝服席へ。
  お家元のご挨拶を受け、若宗匠のお点前でお薄をいただく。半東は峯雪先生が務められ、試験休みで学校がお休みの智大様もお運びに励まれた。翠鶴先生もご挨拶にお出ましになられ、前年の御献茶式でのことなど、お客様とのお話が弾んだ。
  御流祖のお軸のお話で、「天漢」は天の川のことと伺い、那智の瀧の天空に架かる様を想像。式後にいっぱいの日を浴びて落ちる御瀧を拝観したばかりでもあり、壮大な気分に。
  御流祖縁のお品に、御歴代で唯一紀州に墓所のある鶴叟不白縁のお品を加えられたお家元のご配慮を思う。
  明るく広い書院での茶会は、式での緊張をほぐし、和やかにおいしいお茶をいただき、その後、特別なお計らいで、御本殿の神域を拝観させていただくことができた。
  点心席は那智大社の本殿より少し下った参道途中にある茶房「珍重庵」。参拝客の喫茶・食事処であり、全面ガラス窓のある座敷からは、温かい食事をいただきながら、原生林の山の連なりをはさんで、左に那智の大瀧を、右に遥か熊野灘の海を望める場所である。
  たっぷりと景観を楽しみ、朝からのあれこれを反芻しつつ、晩秋のお山を下った。




 走も半ば、例年、江戸千家席の蒸したての温かいそば饅頭が嬉しい護国寺の慈善茶会。平成21年は12月13日(日)に行われた。
  曇天ながら風もなく、この時期としては暖かく、露地での入席待ちも比較的楽な日和だった。
  歳末助け合い運動の一環として護国寺が主催し、読売光と愛の事業団が後援する茶会も43回目を迎えた。各流のお家元と有志の方々がご奉仕なさり、助け合い運動に心を寄せる参加者の善意で成り立っているこの茶会も、歳末行事として定着してきたということだろう。
  今回の七席は左記のご奉仕によるものである。
      (敬称略)

月窓軒
江戸千家 川上閑雪
楓の間
表千家
艸雷庵
大日本茶道学会 田中仙翁
不昧軒
遠州流茶道遠州会
円成庵
裏千家淡交会東京地区
宗澄庵
東茶会
忠霊堂
護国寺

  月窓軒では、「寒」に対し鶏は樹上で丸くなり、鴨は水の中で遊ぶ――同じ現象でも人間の対応はさまざま、どのように対処するか、そのようなことを考えながら、濃茶をいただいた。お家元のお点前、峯雪先生のお半東である。
  この一年の締め括りに、わずかなりと助け合い運動に参加でき、おいしくお茶をいただける、この幸せを来る年にも味わうことができますように、との思いが募る茶会だった。




 成22年の年明けは、各地の大雪情報がニュースとなる寒さ厳しいものとなった。その中で、10日から始まった宗家における初釜は、晴れがましくも気の引き締まる思いでお家元の初点をいただくことができた。
  前田青邨画伯の「波に日の出」、御流祖小像がお祀りされた寄付で連客同士賀詞を交わし合ううちにご案内があり、清々しく整えられた露地に。たっぷりの打ち水に、敷き松葉が仄かに香り、心地よい。華やかに新春の飾りつけがなされた花月楼の床には流祖筆双幅「千年丹頂鶴 萬年緑毛亀」。流祖寿像に一対の嶋台、金獅子香合。注連縄飾りの竹台子、皆具に朱桶の水指、と新年吉例の設え。
  お家元がお出ましになられ、ご挨拶の後、お点前が始まる。静寂の中、如心斎写の嶋台に濃茶が練られるのを一座が見守る。
  お正客が「大変おいしくいただきました」とたっぷり召し上がられ、嶋台の飲み心地についてお話しになられ、注連縄飾りや玉飾りが「珍しいし、いいですね」と、お家元にいろいろお尋ねになる。一同興味深く伺い、お話に加わる方もいらっしゃって、楽しく和やかなうちに、お道具を拝見。
  3階の広間に移って、お祝い膳をいただく。お家元と若宗匠のおすすめで御酒もいただき、お祝い気分がさらに盛り上がる。
  賑やかにくつろいだころ、智大様が福引の盆をお持ちになられた。見事、「福」「禄」を引き当てられた方々にはお家元筆「萬物生光輝」と「暁光」が。書がご披露されると拍手が贈られた。
  その後客一同は、担雪軒にて翠鶴先生のおもてなしをいただく。「立派な虎ですね」とお軸が話題に。流祖作の茶杓は庚寅の作で、本年と同じ干支年の由。流祖の対の御茶碗も見事で、また、干支茶碗の虎の絵も可愛らしいと、話題はつきない。
  お祝い酒の後のお薄はとてもおいしかった。外に出ると、その寒気が気持ちよいほどであった。
  なお、11日と12日にはお社中の方々に翠鶴先生による台炭点前が披露された。その様子はシアター・テレビジョンにて2月に放映され、拝見することができた。

『孤峰』−江戸千家の茶道 ((財) 江戸千家茶道会 発行)
平成21年1月号〜3月号 より

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